帰れない夜

2011⁄12⁄29(木) 08:00
 Yさんは今年でフィリピンが7回目のフィリピンです。最初の頃にできた彼女とは5回目のフィリピンで別れてしまいました。Yさんは出会いの時から彼女に不信感を抱いてはいましたが、惚れた弱みというのか、初めてのフィリピーナの彼女に戸惑いながらも、付き合いを始め、毎月彼女の生活の面倒を見てYさんは彼女を恋人と思い、将来の事まで考えるように成っていました。彼女の名前はジョアン(仮名)年齢23歳。小柄な女性で体つきも細く、しかし、出る所はシッカリと出ていて、所謂巨乳です。Yさんにとってはこのジョアンは宝物のように感じ、大事にしました。

 Yさんは、一度フィリピンに来ると2週間くらいの滞在です。日本では小さな会社を経営し、それなりに上手く行ってるようで、お金には困っていません。そのYさんがジョアンと知り合ったのは、友人に誘われて初めてきたフィリピンで、友人の紹介で知り合ったのですが、一緒に飲みへ行ったり食事をしたりするように成り、ジョアンが凄く新鮮に見え、彼女に恋をし、ジョアンもYさんに好意を持ち自然にそう言う仲となり、付き合いが始まったそうです。

 Yさんはジョアンから言われるまま、彼女を信用し付き合っていました。3度目のフィリピンの時、ジョアンのオバさんから話をされました。

オバさん
「Yさんは本当に良い人だから、正直にジョアンの事を話すから聞いて欲しい。」
Yさん
「話って何ですか?大事な事ですか?」
オバさん
「大事なことよ。貴方を見てると可哀そうで、見てられないから正直に話すからよく聞いて欲しい。」
Yさん
「分かりました。教えて下さい。」
オバさん
「実は、ジョアンには貴方意外に付き合ってる人が二人いるの。一人はフィリピン人、もう一人は韓国。韓国人も毎月ジョアンの面倒を見ているの。フィリピン人の男は何もしていない。」
Yさん
「エ~ッ、嘘でしょう?」
オバさん
「嘘じゃないわ。写真が有るから。見たい?」
Yさん
「見たいです。見せて下さい。」

 オバさんは自分の部屋から写真の入った袋を持ってきて、Yさんに見せ始めた。写真はフィリピン人との写真で、二人がキスをしてる写真もある。韓国人とは何処かリゾートに行った時の写真で、ジョアンの家族も一緒だった。仲良く肩を抱いたり、二人で抱き合ってる写真が沢山ある。Yさんは信じたくないが、オバさんを信じるしかない。現実の出来事が証拠として、歴然と目の前にある。Yさんは、崩れ落ちそうな感覚に成った。「そんなバカな。愛してくれてると思ってたのに。」そう思っても、現実は現実だ。Yさんは暫く悩んだ。ジョアンとどうするか?別れるか?そうは思ってもYさんの
気持ちは、簡単には踏ん切りがつかない。そう思ってるうちに玄関先でトライシクルの音が聞こえる。ジョアンが帰ってきた、オバさんは慌てて写真をしまう。口に指を立て、Yさんに目配せをする。Yさんは軽く頷く。

ジョアン
「ゴメンねアサワコ。時間が掛かって遅くなったわ。ダイジョウブ?何してた?」
Yさん
「ダイジョウブ。オバさんと話をしたり、楽しんでいた。」
ジョアン
「そう?じゃ心配ないね?」
Yさん
「心配ないよ、ジョアンはどうだった?用事は全部終わったのか?」
ジョアン
「全て終わったわ、有難う。」
Yさん
「良かったね。」

 そういう会話をYさんは、自然な感じで取り繕った。しかし、頭の中は、全く違って逆であった。ジョアンと別れる事を考えていた。

 Yさんはまだ数日滞在の予定で有ったが、日本に帰ろうかと考えていた。ジョアンと話をしていても、Yさんはもう上の空で有り、ジョアンの言葉が全て信じられなくなり、彼女と一緒にいても何だか落ち着かなくなり、疑う気持ちが強くなり、楽しくもない。しかし、Yさんはジョアンと別れる決心がつかない。

 しかし、どこかで決心をするしかない。その夜は悩んでいるうちに眠れなく、ウトウトとした夜を過ごし眠れなかった。翌日Yさんは決心した。別れる。ジョアンとは。これが最後だ。別れる。今日は帰国の準備をする。」そう決心した。

Yさん
「ジョアン、俺日本に帰るよ、急用ができて帰らないといけなくなった。」
ジョアン
「どうして?帰る予定はまだ先でしょう?」
Yさん
「そうだったけど、日本でビジネスがトラブッた、帰らないとまずい。今日、チケットの手配をしたり用事を済ませるから。残念だけど、日本に帰らないといけない。」
ジョアン
「そう?残念ネ。もっと一緒にいられると思ったのに。どうしても帰らないといけないの?」
Yさん
「ウン、どうしても帰らないといけない。ゴメンな。」

 その二日後Yさんは帰国し、帰国の飛行機の中で決心した。これでフィリピンとは終わりだ。もう二度とフィリピンには来ない。帰国してからも、ジョアンから電話が入るが、Yさんは一切電話に出ないし、TEXTが入っても返事はしない。TEXTの内容は、どうして連絡をしないのか? そんな内容であるが、Yさんは無視したと同時に、連絡は本当に一切断ってしまった。ただ紹介してくれた友人にだけは事情を話し、分かって貰い問題も無く、日にちが過ぎて行った。

 一度は「フィリピンには二度と行かない」と決心したYさんだったが、時間が経つうちに思い出が甦る。何故だか分からないがフィリピンの事、ジョアンとの思い出が甦る。

 ジョアンとの最後から、一年近く過ぎ忘れたはずのフィリピンだが、Yさんの中では忘れきれていなかった。Yさんの心が疼きだした。そうなると理性が利かなくなり、「フィリピンに行こう。フィリピンに行ってみたい、しかしジョアンに会うのではない。フィリピンに行きたいだけだ。」自分で自分をそう納得させる。

 それから暫くして、Yさんは飛行機に乗った。飛行機の中では、これから起こる事を想像したり、どう過ごすか?等を思い一人で楽しんでいた。今回は短い滞在で、3泊の予定だ。そうこう考えているさなか、飛行機はマニラ空港に着陸した。空港を出てマビニのホテルにチェックインしたYさん。何も考えずマニラに来たのは良いけれど、何をするかも予定が無く、一人でボンヤリとホテルで休んでいた。夕方まで一人でくつろぐ予定で横になり、休むうちに寝込んでしまい、起きてみるともう外は暗かった。今までフィリピンには来たけれど、空港からジョアンの家までの往復で、マビニは余り知らない。ジョアンの近所とは余りにも違う世界に戸惑いながらも、食事を兼ねて外へ出かけた。外を歩くYさんにポン引きが声を掛ける。Yさんはそれを振り払うようにマビニの街を歩く。一人で夕食を済ませ、外へ出ると当てもなく歩きだしたYさんに一人の女性が声を掛けてきた。近所のKTVで働くGROだった。KTVのビラを持ち、恥ずかしそうに声を掛けてきたこのGROに何となく気をひかれたYさん。彼女の働くKTVへと付いていき彼女を指名し、飲むことにした。席に着いた彼女は、外で会ったイメージと違った感じを受けながら会話が始まった。

 彼女の店での名前はキム、年は21歳、KTVで働きだしてまだ2週間くらいである。ミンダナオの田舎から出てきたばかりであった。田舎ではカレッジの学生だったが、お金が無く通学を断念し、マニラへと友人を頼ってきて、このKTVに勤めだしたばかりであった。Yさんの質問にも素直に答えるキムにYさんは好感を持つ。彼女のプライベートに質問をしても嫌な顔をしないで答えてくれる。Yさんは彼女に好感を持った。楽しい二人の会話が弾んだ夜であったが12時を過ぎると、酔いも手伝いキムを翌日へデートに誘った。キムも快く答え翌日3時に会う約束をし、店を出て帰って眠りに就いた。

 翌日の遅い目覚めでシャワーを浴び、コーヒーを飲んでるうちに昼食時間となり、ホテルのレストランで食事をしてる最中に昨日のキムからTEXTが入った。TEXTの内容は、「元気ですか?昨日は有難う、今日は3時に会うんですか?お昼ご飯をちゃんと食べてね」そういう内容であった。Yさんは一人でほほ笑みながら、メッセージを返す。「勿論3時に会おう。私はもっと早くても良いけど、君はどうだい?」キムもOKだった。時間が早くなり2時に会う事になり、キムがホテルまで迎えに来ることになった。Yさんは約束の時間まで部屋でテレビを見ながら時間を過ごした。

 2時を少し過ぎた頃、キムからTEXTが入った。ホテルの前で待ってるらしい。Yさんはラウンジまで来るように誘うが、キムは恥ずかしがり外で待ってると言うので、Yさんは下まで降りて行き、キムをラウンジのコーヒーショップへと招き、お茶を少し飲むことにし。キムとの会話を楽しむ。話を聞くうちにYさんはもっと彼女に好感を持った。Yさんのフィリピンに対する閉じた心が徐々にまた開いてきた。楽しい会話が進むうちに、二人は近くのモールにYさんの必需品を買い物に行く事に成り、モールへと出かけた。歩く二人は誰が見ても恋人同士に見えた。二人は軽く寄り会い、お互いに腰に手をまわし仲良く歩く、そんな姿だった。

 Yさんの買い物が終わり、Yさんはキムに何か買ってやろうと思い、彼女に聞くが、彼女は首を振るだけで相手にしない。そんな態度のキムがYさんはもっと好きになった。とても初めてのデートとは感じられない、結局キムは何も選ばず、Yさんは仕方が無いので、バッグを一つプレゼントをした。キムは断ったが、Yさんは無理にプレゼントを渡し、キムは丁寧にお礼を言う。時間が経ちキムは仕事の時間となり、出勤しないといけない。Yさんは同伴をするからもう少し一緒にいようと言うが、キムはお金が勿体ないから良いと断る。時間が有ったら、後から少しで良いから会いに来るようにと言い、彼女はYさんをホテルまで送り、仕事へと向かった。

 一人残ったYさん、ふと淋しさを感じた。ホテルの部屋に戻っても思いだし、考えるのはキムの事ばかりだった。時間を持て余したYさんは決心した。よし後でキムが務める店に行き、今日はラストまでキムといよう。そして自分の気持ちをぶつけてみよう、そう決心した。オープンまでの時間までまだ間が有る。食事にでも行ってその後にキムに会いに行こうと決めた。一人待つ時間が経つのが凄く遅く感じた。

                 パート2へと続く

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